映画『ミュージアム』を観た感想

 

予告を観た時から、サスペンススリラーな感じが面白そうだな~っと目を付けていた作品。

漫画が原作の作品らしいのですが、そちらは未読の状態で観ました。

※ネタバレも含む内容となってます。
 
 

●あらすじ●
雨の日にだけ発生する猟奇殺人事件。犯行現場には、「○○の刑」と書かれた意味深なメモと残虐な方法で殺害された死体が残されていた。
被害者の共通点に気付き、自身の妻が次のターゲットであることを知った刑事・沢村(小栗旬)は、犯人と思われるカエルのマスクをかぶった男(通称カエル男)を追うのだが・・・。
カエル男の真の目的とは?! 沢村は妻子を守ることが出来るのか?!

 

第1、第2の殺人事件・・・過去の事件と被害者の共通点・・・第3、第4、第5の殺人・・・と、無駄なくテンポ良く進んでいく前半から、どんどん犯人に迫っていく中盤までの流れはスムーズでした。

ですが、後半。急に物語が停滞。良い風に捉えるなら、沢村が絶望的な状況に追い込まれ、精神的に追い詰められていく様子を丁寧に描いているとも言えるけど・・・。ずーっと同じような状況でうだうだうだうだ。ここが見せ場だったんでしょうかね?

でも正直、もう結末は予想できたから早く終わってくれ、、、って感じでした。
 
 

主人公・沢村に魅力がなかったことも、早く終わってくれ、、、の原因かもしれません。

事件の捜査に没頭するあまり家庭を顧みない(そのせいで妻子は家出中)時点で、夫として父親として最低ランクだと思うのですが、じゃあ刑事として優秀なのかというと、そんなこともなく・・・。

単独行動はするし、カーチェイスでも殴り合いでも負けるし、何度も逃げられるし、発砲しても当たらないし・・・で、イイトコドコ?状態。妻の遥(尾野真千子)に「あなた刑事としては優秀かもしれないけど、父親としては最低よ」みたいなことを言われるのですが、「刑事としても優秀じゃないよね?!」とツッコミたかったくらい。

しかも禁煙が推奨されているこのご時世に、どこでもタバコをスパスパ。ついでにポイ捨ても。ヤニカスかよ~。粗野な感じを出すための演出なのかもしれないけど、夫しても父親としても刑事としてもイマイチな上にヤニカスで主人公の魅力は霧散。
 
 

ただ主人公自体に魅力はないものの、演者である小栗旬さんの演技は素晴らしかった!!
監禁、ハンバーガー、生首発見のくだりは本当に圧巻!!

そして妻夫木聡さん演じる犯人・カエル男!!
本当に気持ち悪いクレイジーな猟奇殺人犯だった・・・。観終わってキャストを確認するまで誰だか分からなかったくらい全然別人でした。(特殊メイク+声色も変えてた?)

それに加えて脇を固める俳優さん達も素晴らしい方たちばかり!!
個人的には野村周平さん、松重豊さん、第2の事件の被害者(ヲタニート役の人)が印象的だった。
 
 

『あなたは、最悪のラストを期待する』

最後は、この言葉の通り“最悪のラスト”を期待したけど、残念ながら、映画やドラマでありがちな、主人公やその家族が絶対死なない一番安易な終わり方。

多くの作品でこんな感じだから、途中にどんなにヒヤヒヤな展開があっても「ハイハイ助かるんでしょ~」と、ほぼ確信しながら観ていき、ラストに「やっぱりね」で観終わるっていう。実につまらん。

多分、作る側からしたらお決まりのその展開にしとけば、一応納まりよくまとまるし、ラクなんでしょうけどね、、、。でも凡人でも思いつくようなこの手の終わり方って全く心に残らないのです。本当に残念だな~と思います。
 

●感想●
サスペンススリラーかと思いきや、謎解き要素よりスリラー要素がかなり強めな作品でした。
こちらでも書きましたが、主人公とその家族は絶対死なない設定では、いい物語は作れない!!陳腐なお話にしかならない!!これに尽きる!!
ただ最後、ビデオカメラの液晶に映されたものに、今後起こり得るナニカ、新たな狂気の誕生を暗示していたところは良かったです。

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