ドラマ『FINAL FANTASY XIV 光のお父さん -Daddy of Light-』感想(前編)

『光のお父さん』って??

ドラマ『FINAL FANTASY XIV 光のお父さん -Daddy of Light-』の感想(ネタバレ含む)です。

 
ブログ版、書籍版、ドラマ版、どの『光のお父さん』も知らないわ~って方には「なんのこっちゃ?」な内容なので、簡単にざっくりふんわり説明すると…

『光のお父さん』とは、マイディーさんというゲーム好きの青年(なのかな?年齢は非公開)がブログ『一撃確殺SS日記』内で連載していた、オンラインゲーム・ファイナルファンタジーXIV(FF14)を通してお父さんとの関係を再構築していく親孝行物語(実話)です。

光のお父さん計画・・・・。

それは、60歳を超えるゲーム好きの父にFF14をプレイしてもらい、自分は正体を隠してフレンド登録。

共に冒険を続け、いつの日か自分が実の息子である事を打ち明けるという壮大な親孝行計画である。

 
仕事で忙しかったお父さんとは、子供の頃から接触が少なかったというマイディーさん。

大人になってからはお互いに忙しくなってさらに会話が減り、年に数回言葉を交わす程度になっていたそう…。

でもそこは親子。マイディーさんもお父さんもゲームが大好き!

そこで思い付いたのが、会わなくても会話が可能なオンラインゲームの世界でならもっとお父さんと会話ができるかもしれない…ってこと。

それこそが「光のお父さん計画」の始まりだったのです。
 
(ちょうどその頃、お友達紹介キャンペーン -誘ったお友達が3ヶ月間課金してくれると、紹介した人はゲーム内アイテムの二人乗りチョコボがもらえるというもの- をやっていたので、そのチョコボが欲しいというきっかけもあったらしい)
 
FF14
 
そしてその「光のお父さん計画」のゴールとしてマイディーさんが設定したのが、FF14初期の最難関ダンジョン『大迷宮バハムート邂逅編第5層』のツインタニア攻略。

そこまでかなり長い道のりなんですが、その様子を笑いあり涙ありで綴ったのが『光のお父さん』なのです。
 
話しの中心はFF14(エオルゼア)でのあれやこれやですが、FF14プレイヤーだけが楽しめる内輪ネタってわけではなくて、専門用語やFF14独特の文化みたいなものに関しても分かりやすい解説付きで、プレイしたことのない人をも惹き付けるお話しとなっています。
(『光のお父さん』を読んだことで、FF14を始めたって人もたくさんいるようです。)

 

ドラマ『FINAL FANTASY XIV 光のお父さん -Daddy of Light-』

ブログ版『光のお父さん』……全31話。

1話は基本的に【回想パート】【リアルパート(主に食卓)】【エオルゼアパート】で構成されていて、この3つのパートが絡み合って1つのストーリーになっています。
 
マイディーさんがお父さんをエオルゼアに誘うところから始まり・・・

正体を隠してフレンド登録(するまでにも面白いことがいっぱい!)

冒険を続け、少しずつ世界が広がっていく・・・
 
オンライン上で人と繋がること、その「楽しさ」

みんなの力で何かを成し遂げる「喜び」

強い敵を倒した「達成感」

みんなで何かを乗り越える「感動」
 
連載はお父さんの進行に応じて進んでいくのですが、その様子がマイディーさんの絶妙なツッコミ、的確な表現、今の気持ち、昔の思い出、SSや間を使って、本当に面白く、時に涙、で綴られているのです。

それが……ドラマ版『光のお父さん』は全7話(しかも1話30分!)

ブログ版『光のお父さん』の始まりから終わりまでをきっちり描いてその尺に納まるようにしようとすると、印象深いシーンを無理になぞっただけのただのダイジェストドラマになってしまう……

そこでオリジナルストーリーを盛り込んでドラマ用に書き直されたのが、今回のドラマ『FINAL FANTASY XIV 光のお父さん -Daddy of Light-』なのです。
 

「オンラインゲームというのは悪い事ばかりじゃないんだよ。
考え方や受け取り方、活かし方で 人生においてこんなに素晴らしい物になるんだよ。」

僕は「光のお父さん」を通してそれを言いたかったんだと思います。

 
ブログ版『光のお父さん』を尺を短くしてどこまで再現するかではなく、あとがきに書いた言葉をどう練りこむか……

お父さんに行った親孝行を元に、オンラインゲームで関係を修復した事実を元に、ドラマを見た視聴者がそう感じられるものを……

そうやって作られたのがドラマ版『光のお父さん』のようですね。

どのエピソードを使ったのか、、オリジナルストーリーが吉と出るのか凶と出るのか、、、夫と一緒に観てみることにしました~!(因みに2人とも元・光の戦士です!楽しみだな~♪)
 
FF14
(夫婦で干物を待つの図)

第I話「光のお父さんがやってきた。」

●あらすじ●

夏の昼下がりフローリングの床をぐるぐるまわる遊びをしていた少年時代の光生は父・博太郎(大杉漣)に連れられファイナルファンタジーⅢを買ってもらう。それは数少ない父に遊んでもらう貴重な思い出になった。
時は移り、成人し事務機の営業マンとして働く光生(千葉雄大)の下に母(石野真子)から電話が入る。
仕事一筋であった父が突然会社を辞めたという知らせである。母はちょっと早い定年と受け止め気にする様子もない。同僚の袴田(袴田吉彦)との何気ない会話で、光生は自分が父のことを何も知らないことを再確認する。オンラインゲーム・ファイナルファンタジーXIVのプレイヤーである光生は、父をゲームの世界に誘い、自らの正体を隠し、父と共にプレイすることを思いつく。

 
ブログ版『光のお父さん』の…

第1話「光のお父さん。」
● 光のお父さん計画始動!!

第2話「光のお父さんがエオルゼアにやってきた。」
● 光のお父さん、エオルゼアにキャラクター創る。

第3話「光のお父さんは全力で走った。」
● マイディー、父と接触を試みる。

第4話「光のお父さんは振り返らない。」
● ララフェル作戦開始!

この辺りのエピソードが描かれてました。
 

あっという間の30分!

初めてゲームを買ってもらう回想シーンからスタートするのですが、お父さん役の大杉漣さんがイメージにピッタリすぎて!!それだけで期待が高まります!

そして買ってもらったFF3を一緒にプレイしていると「プレリュード」が流れだし……「たびだつのだ ひかりのせんしたちよ!・・・・・・まかしとき。」からの、オープニングへの流れには鳥肌が立ちました。
 
お父さんをFF14に誘う流れは原作と違いましたが、「そんなん・・・、なんか恥ずかしい・・・。」「じゃあ・・・、いのうえ」といった原作の面白かったエピソードや、お父さんが知らず知らずのうちに高レベルモンスターと戦ってしまいピンチ・・・!「このままでは父さんが・・・死んでしまう・・・」「はああああぁぁっっー!」「チェストー!」(原作だと「羅刹衝!!」)で助けるエピソードはちゃんと残されていたし、エオルゼアパートのマイディーさんやきりんちゃんの声も自分でイメージしてた通りだった!

随所でエオルゼアの音楽が流れるのも、私には懐かしくて嬉しかった~!

ただやっぱり7話という限られた時間しかないので、さくさく話が進んでいくって印象です。(キーボードもすぐに使えるようになったし)
 
職場のシーンがドラマ用に書き足された部分だと思うのですが、、、
「親孝行したくなった時には親はなし」「親父のことを何にも分かってなかったんだなぁ」「どこの家でも親父なんていうのは、分かりにくい存在なのかもなぁ」(袴田さんの台詞)……親子の物語だということ、そして今の父と子の関係、距離感を分かりやすく表現する為に足された感じだったので、違和感なくて安心しました。同僚(先輩?)の袴田役で袴田吉彦さんが出てて笑った。

FF14
(懐かしのエオルゼア)
 
お父さんに教える形でオンラインゲームの説明もされていたし、リアルパートとエオルゼアパートの切り換えも自然だったので、『光のお父さん』やオンラインゲームを知らない人でもスムーズに物語に入っていけて楽しめる第1話だったのではないでしょうか!

第II話「光のお父さんが姿を消した。」

●あらすじ●

新人女子社員の離職率が高い原因の調査を依頼される光生(千葉雄大)。
最も辞めそうな社員として先輩・袴田(袴田吉彦)が挙げた新人正田陽子(馬場ふみか)に接近する光生。陽子は光生に非協力的な態度をとり続け調査が難航する。
一方、無事ゲームを始め、一見順調そうな博太郎(大杉漣)であったが、ゲーム内のコミュニケーションが上手くとれない。そんな時、博太郎は些細な理由から、ゲームから離脱してしまう。
あまりにも些細な理由が初心者の躓きになることに思い至った光生は、陽子に同じ質問を投げかけてみるのだった。
無事ゲームに復帰した父の危機を救う光生に、上手くコミュニケーションが取れない父は光生に精一杯の感情表現をする。

 
ブログ版『光のお父さん』の…

第5話「光のお父さんが姿を消した。」
● 光のお父さんが計画に気づいた!?

第6話「光のお父さんは 再び立ち上がった。(前編)」
● 光のお父さん、クルザスに散る。

第7話「光のお父さんは再び立ち上がった。(後編)」
● オレンジの名前の人は・・・・

第9話「光のお父さんは自分の気持ちを伝えた。」
● マイディー、光のお父さんと意思の交流を果たす。

第10話「光のお父さんは自分の言葉を発した。」
● 光のお父さんはキーボードを手に入れた!

この辺りのエピソードが描かれてました。(第8話「光のお父さんはかつてハンターだった。(番外編)」は流石に除外ですね)
 

お父さんと光生のやりとりがおもしろい!!

マイディーさんに話しかけられたインディさん(ゲーム内のお父さん)が「ああ…あああああああああああ……」と言葉を発しながら去っていくという謎の行動。(キーボードが壊れていて、押したらずっと「あ」が入力されてしまったらしい)
どうすればいいのか分からず、光生の部屋に行くお父さん。そこにはティッシュを手に持ち、必死にパソコンの画面を隠す光生の姿が…。「あ…っ、ティッシュ……」……何かを察する父。……がひたすら面白かった!(ブログ版の方でも似たような状況がもう少し先にあったような?)

そしてキーボードが使えなくなったお父さんにエモートを教えてあげると、何故か「大笑いする」のエモートを繰り返すお父さん。
その時の、光生の表情といったら・・・!光生役の千葉雄大さん。少し大げさかなって思う時もあるのですが、表情とかが絶妙なんですよね~。
 
もちろん有名な『雪国半袖引退事件』……「吉田ァァァァァァァァァァァーーーッ!!!」もありました。ここはやっぱりはずせないですよね~♪
マイディーさんの声を担当している南條愛乃さんが、私の中でマイディーさんとしてイメージしていた声と本当にピッタリで……「よしだああああーー!」の原作再現率が100%を超えていた!
 
さらに最後、プレリュードが流れる中、インディさんが跪くシーンと光生の少年時代の思い出がリンクして……「また一緒にあそぼう…父さん」……鳥肌が!
 
こんな感じでエオルゼアパートとリアルパートの自宅シーンはすごく良かった!
 
FF14
(雪国/イメージ図)

ですが、、、ドラマ版のオリジナルストーリーである職場シーンに、今回はかなり違和感があって…。
第1話の職場シーンがすごく自然だったので安心して見ていたんですよね。それなのに、どうしてこうなったんだろう。。

夫と二人して、「これはない!!」ハモりました。
 
お父さんの『雪国半袖引退事件』……これは確かに衝撃だった。

この「初心者は思いもよらない理由で躓いてしまう」というエピソードを職場シーンに強引に絡めた結果……最も辞めそうな新人・正田陽子(馬場ふみか)、彼女が辞めたい理由 →「制服がダサいから」→ 数日後には女性社員の制服が一新されるという驚きの展開が・・・!

いや、うん。確かに、そんなことで仕事辞めたいとか、、、お父さんの『雪国半袖引退事件』に匹敵するくらい思いもよらない理由だった。それは、分かる。そこは別にいいんだ。「初心者は思いもよらない理由で躓いてしまう」というのが、今回のテーマですもんね。

でもさ、、会社の制服を変えるってそんな簡単なことなの…?
 
ドラマ化までの紆余曲折を書いた『光のぴぃさん』、ドラマ制作過程の裏話的なお話を書いた『光のでぃさん』も読んでいたので、これが・・・

『オンラインゲームの中で得た【気づき】をゲームの中だけで完結するのではなく、それを現実世界に返還する事で主人公が成長していく。』

これを『基本フォーマット』にする事で【光のお父さん】は、一般の人にも伝わりやすいポジティブなオンラインゲームのドラマになるのではないだろうか?

この考えからくるものだっていうのは分かってる。分かってるんだけど。。。
 
たった1人の意見で、会社の制服が数日で変わる……ものなの……?ありえなくない…?

1人の意見で会社の制服があっさり変わることも、それが数日で実行されることも、違和感しかなかった。せめて制服が変わるまでに少し時間が経ってたり、制服を変える方向に動き出した…くらいだったら時間の流れ的にもしっくりきて良かったのに…。

この現実離れしたエピソードが、実話をベースにした話をただの作り物のような話にしてしまった気がして、すごく残念だった。

FF14
 
あ、でも!原因を調べるように言われた時にクエスト受注の音楽が流れたところとか、無事原因を突き止めて解決した後にクエスト達成の音楽が流れたところは好きでした。(ゲームのこういう音って、リアルでも脳内再生されてたりしますよね?レベルが上がった時とか!・・・あれ?私だけ?)
 
エオルゼアパートでの「初心者は思いもよらない理由で躓いてしまう」と、職場での「初心者は思いもよらない理由で躓いてしまう」が、どちらも服装に関することでリンクしてて分かりやすかったし、30分のドラマとして上手くまとまっていたとは思うんだけど、、、どうしても最後の結末だけがもやもやする…といった印象の第2話でした。