幼い頃に受けた父親からの暴力が原因で脳の一部を損傷し、善悪の判断や人間的な感情、感覚を持ち合わせていない主人公のジェリコ(ケヴィン・コスナー)
その損傷し未発達な部分の脳に殺害されたCIAエージェント・ビリーの記憶が移植された。
最初こそ無銭飲食、暴力、窃盗などやりたい放題のジェリコだけど、ビリーの妻と娘に会い、移植された記憶から感情を知り、愛を知る・・・。最初は粗暴なだけだったジェリコが戸惑いながらも、理性や感情を自覚して人間的になっていくところが何だかとても可愛らしかった!
けれども敵と判断した相手には容赦ないところや、クライマックスの「今、病院に戻らないと記憶が消える=人間性を失ってしまう」っていう状況で、ビリーの妻と娘を助けるために一人で敵に向かっていくような無謀なところは残っている。
ジェリコとビリーの良いとこどりして、とっても魅力的なキャラクターが生まれたよ!
暴力的描写って基本的に好きじゃないのですが、このジェリコの悪意のない粗暴さは何だか笑えました。
あとラストのスカッとしてウルっとくる展開も良かった!
ただ気になったのがビリーの奥さんの気持ち。
自分が愛した人の記憶を持ってる別の人。
外見は全くの別人、でも自分との共通の思い出を持っている人。
自分と愛し合った記憶を持っている人。
その人は自分が愛した人なのか・・・。
これは逆の記憶喪失のパターンとかでも考えるんだけど・・・
外見はその人なんだけど記憶がない(=人格も微妙に違う)場合、その人は自分が愛した人なのか。
「その人をその人たらしめるものは何だろう・・・」
ということを考えさせられた作品でもありました。
単純にスパイ・アクション映画として楽しめるだけでなく、クスっと笑えるコメディ要素(CIA支局長の無能っぷりもツッコミどころ満載で面白かった!)や、ちょっと切ないラブストーリーという要素まである、何ともお得(?!)な映画となっております。
まだ観たことない人はぜひ!おススメです(*^^*)